
当時驚いたのは、スーパーファミコンでは不可能だと思われていたボーカル曲が流れたことです。PCエンジンCDのゲームより音質は劣っていましたが、ROMカセットに歌が収録できるとは思いませんでした。
戦闘でも音声が出ました。スーパーファミコン史上最高の容量である48メガビットを使ったことで可能になったそうです。
戦闘システムも独特です。リアルタイムでキャラクターを直接操作し、対戦格闘ゲームの技術コマンドが導入されました。
企画はウルフチームが行いましたが、ナムコが発売を担当するにあたり制作に介入しました。このため、ウルフチームの主要開発陣が退社するほどの激しい対立があったそうです。しかし、以前のウルフチームのゲームには見かけ倒しのものが多かったため、ナムコがプロデュースしたことは「神の一手」だったと私は考えています。ナムコは『ああっ女神さまっ』で有名な藤島康介氏をキャラクターデザイナーに起用し、容量も大幅に増やしてくれました。
『ドラゴンクエストVI』と発売が重なったため販売には苦戦しましたが、3年後のPlayStation版で数倍の売り上げを記録し、挽回しました。